うまさぎっしり新潟 観光通信 2011 夏

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新潟県の花火 注目をピックアップ!

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夏の夜空に輝く希望の光 大林宣彦監督インタビュー

 この夏、数々の"古里映画"の名作を世に送り出してきた大林宣彦監督の新作映画、「この空の花─長岡花火物語─」の撮影が長岡市でクランクインします。
 長岡の花火は被災者の追悼と戦災の復興を祈って、戦後の昭和22年に復活。また、中越大震災から立ち上がった市民の震災復興と希望のシンボルでもあります。
 大林監督は、その長岡花火を初めて見た際に心打たれ、それをきっかけに映画づくりに導かれていったと言います。「"世界中の爆弾を花火に換えたい"という平和へのメッセージを込めた長岡花火の物語は、今こそ作るべき映画」と語る大林監督に、長岡の花火、そして心の古里である長岡への想いをうかがいました。

映画作家 大林 宣彦さん

広島県尾道市生まれ。作品に自身の故郷を舞台にした「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の"尾道三部作"をはじめ、「青春デンデケデケデケ」「なごり雪」など。全国の古里を映画にしてきた監督は、現在「ただいま」「おかえり」と言い合える関係を築いた長岡で"古里映画"「この空の花─長岡花火物語─」を製作中。

─今回、長岡の花火をモチーフに映画を作ることになったきっかけを教えてください。

 おととしの夏に、知人に誘われて初めて長岡花火を見たんです。すると見ているうちに、涙がぽろぽろと出てくるんですよ。「この花火はちょっと変だよ。花火に心があって、それが見えてるんだ」と仲間と話しました。そして、長岡花火は追悼の花火だという話をうかがって、納得しました。
 その後、長岡の方々から、ぜひ長岡で古里映画を撮ってほしいというお話をいただきました。映画を作る時に大切なのは、映像の向こうにどんな心があるか、ということです。心は目には見えないので、言葉で表すしかない。そんな中でうかがったのが「世界中の爆弾を花火にして打ち上げたら、戦争は無くなるのに」という言葉。これは長岡の花火を見た放浪画家の山下清画伯と、長岡の花火師の嘉瀬誠次さんに共通する言葉だと聞いて、これが映画の心の部分になると感じました。

長岡の印象はいかがですか。

 約2年のお付き合いになりますが、今は「ただいま」と帰ってこられて、「おかえり」と言ってもらえるようになりました。古里映画を作るには旅人では作れませんので、ようやく仲間に入れたし、今は長岡に居るのがとっても自然です。長岡のスタッフが朝ごはんの時などに差し入れてくれる、奥さんが作ったフキノトウ味噌やにいな(※菜っ葉を煮たもの)といった地元の味が、シナリオにも生きてきたりしていますね。
 今年の2月、中越地震で被災した山古志を歩きました。見事に復興している中に、崩れ落ちた家もそのまま残っていたのですが、そこで「あれは私の家なんです。これを無くすと、あの時お世話になった一切れのパンや一枚のおせんべいへの感謝の気持ちを忘れるから、残しているんです。今度は私たちが恩返しします」という話を聞いたりしました。そこに東日本大震災が起きた。新潟、長岡の皆さんはいち早く被災者を受け入れていらっしゃって、"ああ、恩返しのために頑張っていらっしゃる"と思ってうれしかったです。


現地へ足を運び情報収集を行う大林監督

 そうですね。脚本は出来上がっていましたが、震災後に全て書き直しました。今度の震災で、東北地方の皆さんがテレビや新聞を通して発信されたいろいろな言葉がありましたね。礼儀や感謝、我慢、夢を捨てないで必ず復興しますとか。それは、日本人が本来持っていた美しさです。
 僕たちと同じくらいのご老人は「私たちは戦争を知っているから大丈夫。戦争の後は憎しみが残ったけれど、今度はそれが無い。力を合わせて、未来を信じて、必ずふるさとを復興させます。これが私たちの恩返しです」と、中越大震災で被災した皆さんと同じことをおっしゃっていました。長岡の方々と触れ合って、一番感じていた「ここには、いい日本がある」という思いを、改めて東北の方々から感じることになりました。
 長岡の花火は祈りの花火で、震災復興で大変な時も花火を上げてきました。それは、自分たちのためでなく、子どもたちに勇気を与え、希望を持って生きていける街にするために、大人が頑張って上げてきたものです。だから、2011年こそが「この空の花」を実現する機運が高まっているときだと感じています。


天地人花火
2009年に放送された大河ドラマ「天地人」に合わせて打ち上げられた。

 長岡には長崎の原爆の模擬爆弾が落とされました。それで、長崎の天草出身のヒロインを登場させることにしました。長岡の戦災資料館でその話をしていたら、映画の製作委員会の代表の女性が「私、天草出身なんです」と言う。偶然だねと言っていたら、「実は戦災があった当時の長岡市長も天草出身の方だったんです」と言われて「ええっ」と驚きました。何かにたぐりよせられているんですね。
 長岡市は今年の12月に、パールハーバーで日米合同で追悼花火を上げるそうです。僕は、そんなことが可能なのかと信じられない思いでした。でも、平和というものは互いが勝手にやっていてはダメで、一緒にやることで作ることができる。その花火が実現したら、きっと平和のモニュメントになることでしょう。そういう願いや祈りも込めて、映画をこしらえようと思っています。
 いままでの日本の平和というのは、戦争を忘れた平和でした。戦争を体験した僕でさえもそうだった。だけど、長岡は忘れない。花火を上げて、子どもたちにしっかり伝えています。戦争を知ってこそ、初めて平和を作る力が生まれます。その長岡の素晴らしさを伝える作品にして、世界に向かってこの映画を発信したいですね。


震災復興花火フェニックス

今年8月に撮影スタート。
2012年春完成、同夏公開(予定)
監督:大林宣彦
脚本:長谷川孝治・大林宣彦
プロダクション:(株)PSC/大林宣彦事務所
プロデューサー:大林恭子
製作:「長岡映画」製作委員会
映画の応援団(協賛者)募集中!
この機会に映画作りに参加してみませんか!
[問] 「長岡映画」製作実行委員会事務局(長岡市観光課)
[電] 0258-39-2221
[URL] http://www.locanavi.jp/konosora/

(社)新潟県観光協会

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